豚とアサリの土鍋パエリア、とヤンさんのこと。
2013年 02月 16日
大好きな旅番組「世界ふれあい街歩き」でバルセロナを見ました。
我が家の新婚旅行は、マドリッドからバルセロナまでぐるっとスペインを周るもの。
バルセロナの印象は特に強く、美味しーいパエリアを食べたことを久しぶりに思い出しました。
食べたいなー。でも貝だらけだと、ノンが食べられないし。
というわけで、豚とアサリのパエリアを作りました。
土鍋で作るので、これをパエリアと呼んで良いものかどうか。でもレシピ帳にそう書いてあるんだもーん。
炊き上がったところ。
プチトマトとオレンジパプリカの色がパエリアっぽさを演出してる、つもり。
料理が無事に出来たのは、電気が復旧したおかげ。
本当にありがたい。
直しに来てくれた修理のヤンさんは、現れるなりこう言いました。
「二胡の先生、見つかった?」
そーなんです!
ヤンさんがうちに来てくれたのは、これで2回目。
前回は9月。40度近い日にエアコンの修理のために来てくれました。
その時、私の二胡に気づいた中国人のヤンさんは
「おぉ。君はerhu(二胡のこと)を弾くのか!?僕はこの音色が大好きで、CDも沢山持ってるんだよー。ハリウッドに有名な二胡奏者がいて、映画音楽のほとんどを彼女が弾いているんだ」
と興奮気味に話してました。
私が二胡の先生を探していると告げると、
「よっしゃ!任しとき」と、胸をドンと叩いてくれたのでした。
私も中国人と会ったら必ず「erhu弾く人を知りませんか」と尋ねるのですが、空振りばかり。
それどころか、「erhuってあの楽器のerhu?」とキョトンとされることも少なくない。
どこの国でも、伝統楽器を弾く人口は減ってるのかな。
ちなみに私のブログのID suaraーerhuのsuaraはインドネシア語で「音、音色」のこと。
二つで「二胡の音」の意味なんです。
約束を守る男らしいヤンさんは、翌日朝一番で中国人が多く通う音楽学校に電話してくれたり、方々ずいぶん探し回ってくれました。
しばらくして一人の先生を見つけ、連絡先を教えてくれました。
場所があまりに遠く、残念ながら通うことが出来ないけれど、その後も探してみるからと言ってくれて、本当に誠意のある方なんですー。
電気の修理を終えて、バレンタインの話になりました。
「旦那さんは花を買って来るか」と聞くので、「そんなことはコレっぽっちも考えていないと思う」と答えました。
アメリカでは、というか日本以外の多くの国では男性が女性に花を贈る習慣があるようです。
ヤンさんは、「僕は毎年妻に花を贈っていたよ。でも今年はしないんだ。ちょっと遠くに行っていて」
と言うので、どうしたのかな?と思っていたら、
「クリスマス前に亡くなったんだ。癌でねぇ」と。。
笑顔を崩さないヤンさんにじーーんとして、ノンと二人で夫にあげるつもりだったチョコをヤンさんに渡してしまった。
奥さんと二人で、二胡を聞いてたのかな。
9月に来てくれた時は、闘病中だったのでしょう。
そんな中、二胡の先生を熱心に探してくれて。
いつも笑って朗らかで、誇らしげに電気の話をしているヤンさん。
「この近くに住んでる二胡の先生、絶対いるはずだよ。これからも探すからね!」とにこやかに去って行きました。
ヤンさんは、漢字では「義さん」と書く。
その名の通り義理人情に厚いヤンさんに、HAPPY VALENTINE'S DAY!
by suara-erhu
| 2013-02-16 09:09
| 家ごはん